第一世代Ryzenチップセットを利用してWin11にはどういう手順でアップグレード出来るかの概要や、実測値としてはどの程度性能が上がるか紹介します。
X370はRyzen5000シリーズまで行ける!
X370チップセットはRyzen第一世代の1000シリーズと共に2017年に登場したソケットAM4最初のチップセットです。しかしながら、AM4ソケット最後の採用で2021年登場Ryzen5000シリーズまで対応しています。流石はマザーボード交換なしで長く使えることで定評のあるAMDで、庶民の強い味方です。
ただ、これはチップセットとして公式に対応しているという話で、マザーボードが対応しているかは各メーカーによってです。X370チップセットを使っているようなマザーボードであれば、普通は最低ラインより上の品質なので、Ryzen9含めたCPUにBIOSのアップデートで対応していることが多いです。
また、登場時はWindows11(以下Win11)に対応していなかったマザーボードも、第二世代以降のRyzenへの載せ替えと、BIOSのアップデートで対応できます。
Windows10のサポートが後2年ほどの予定なので、まだまだ使い倒したい人は今の載せ替えがお勧めです。
性能はシングル2倍・マルチ1.5倍程度期待できる
Ryzen5000シリーズと同時に登場したX570チップセットとX370を比べると、PCI expressの世代などで5000シリーズの性能はすべて引き出せません。
しかし、それでもCinebench実測値によると第一世代1700Xと第五世代5700XのCPU載せ替えのみの比較で、シングルが2倍程度、マルチが1.5倍程度の性能アップできました。数値にすると1700Xがシングル 898/マルチ 8274ptで、5700Xがシングル 1534/マルチ 12628ptとなりました。
私は2023年6月末の5700Xが底値の時に変えたので、2.2万円の投資だけでここまで性能アップできました。この記事を書いた2023年7月では、5700Gが2.5万円で買えるのでお勧めです。
必要に応じて他も性能アップのおすすめ
基本的に今回の記事で紹介するようなケースではCPUを交換する以外では、Win11に対応させるために他にやる必要はあまりないと思います。
しかし、あえておすすめするならメモリーとSSDの交換です。今はどちらも底値になっており、2023年後半より反転する可能性が高いので、必要に応じて交換しておくとより快適になります。
特にSSDでまだSATAでNVMeにしていない方がいたら、今交換するのがお勧めです。
CPU換装とWin11へのおおまかな流れ
BIOSアップデート
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BIOSでfTPM一時off (必要に応じて)
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CPU換装
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BIOS設定
Wi11にするにはCPUを載せかるだけではだめで、以上の手順が必要です。
まずBIOSのアップデートは必須です。この時注意したいのが、長年アップデートしていない場合、いきなり最新にできない場合があります。必要なバージョンを経由して最新へアップデートをしてください。
次に必須ではありませんが、fTPM機能のoff化です。大半の人は無視できる作業で、CPU交換後New CPU installed~なんちゃらの警告が出でて起動不可になるので、リセットを選択することで起動可能になります。
TPMは暗号化などに関係するシステムでWin11での必要要件がTPM2.0なだけで、第一世代RyzenからfTPMというCPU上に載っているTPMが2.0より前のバージョンとして内蔵されいます。Windows10でも使われており、BitLockerなどに使われています。
なので、ディスクの暗号化などしている場合は、一旦offにしたりしてそのあたりを調整しないと読み込み不能になってしまい、セキュリティ強化をしている人は作業必須です。これをやらずにCPUの交換をしてしうと、前のCPUに戻して設定しなおす必要があります。
ここまで出来たらCPUの載せ替えです。単純にCPUクーラーを外して載せかるだけで、特にそれ以上はありません。
次にBIOSの設定です。先ほどfTPMを無効化した人はまずそれをONにしてください。もう一つはセキュアブートの有効化です。デフォルトでは無効になっている場合があるので、ONにしてください。自分はこれ気づかずWin11がインストールできなくて焦りました。
後は通常のWindowsのインストールと同じ流れです。
このようにCPUの交換とBIOSの設定のみで大幅な性能向上が見込めるケースがあるので、ぜひおすすめですよ。