2023年7月19日水曜日

X370をCPU載せ替えでWin11にして使い倒せ!




第一世代Ryzenチップセットを利用してWin11にはどういう手順でアップグレード出来るかの概要や、実測値としてはどの程度性能が上がるか紹介します。


X370はRyzen5000シリーズまで行ける!

X370チップセットはRyzen第一世代の1000シリーズと共に2017年に登場したソケットAM4最初のチップセットです。しかしながら、AM4ソケット最後の採用で2021年登場Ryzen5000シリーズまで対応しています。流石はマザーボード交換なしで長く使えることで定評のあるAMDで、庶民の強い味方です。

ただ、これはチップセットとして公式に対応しているという話で、マザーボードが対応しているかは各メーカーによってです。X370チップセットを使っているようなマザーボードであれば、普通は最低ラインより上の品質なので、Ryzen9含めたCPUにBIOSのアップデートで対応していることが多いです。

また、登場時はWindows11(以下Win11)に対応していなかったマザーボードも、第二世代以降のRyzenへの載せ替えと、BIOSのアップデートで対応できます。

Windows10のサポートが後2年ほどの予定なので、まだまだ使い倒したい人は今の載せ替えがお勧めです。

性能はシングル2倍・マルチ1.5倍程度期待できる

Ryzen5000シリーズと同時に登場したX570チップセットとX370を比べると、PCI expressの世代などで5000シリーズの性能はすべて引き出せません。

しかし、それでもCinebench実測値によると第一世代1700Xと第五世代5700XのCPU載せ替えのみの比較で、シングルが2倍程度、マルチが1.5倍程度の性能アップできました。数値にすると1700Xがシングル 898/マルチ 8274ptで、5700Xがシングル 1534/マルチ 12628ptとなりました。

私は2023年6月末の5700Xが底値の時に変えたので、2.2万円の投資だけでここまで性能アップできました。この記事を書いた2023年7月では、5700Gが2.5万円で買えるのでお勧めです。

必要に応じて他も性能アップのおすすめ

基本的に今回の記事で紹介するようなケースではCPUを交換する以外では、Win11に対応させるために他にやる必要はあまりないと思います。

しかし、あえておすすめするならメモリーとSSDの交換です。今はどちらも底値になっており、2023年後半より反転する可能性が高いので、必要に応じて交換しておくとより快適になります。

特にSSDでまだSATAでNVMeにしていない方がいたら、今交換するのがお勧めです。

CPU換装とWin11へのおおまかな流れ

BIOSアップデート
BIOSでfTPM一時off (必要に応じて)
CPU換装
BIOS設定

Wi11にするにはCPUを載せかるだけではだめで、以上の手順が必要です。

まずBIOSのアップデートは必須です。この時注意したいのが、長年アップデートしていない場合、いきなり最新にできない場合があります。必要なバージョンを経由して最新へアップデートをしてください。

次に必須ではありませんが、fTPM機能のoff化です。大半の人は無視できる作業で、CPU交換後New CPU installed~なんちゃらの警告が出でて起動不可になるので、リセットを選択することで起動可能になります。

TPMは暗号化などに関係するシステムでWin11での必要要件がTPM2.0なだけで、第一世代RyzenからfTPMというCPU上に載っているTPMが2.0より前のバージョンとして内蔵されいます。Windows10でも使われており、BitLockerなどに使われています。

なので、ディスクの暗号化などしている場合は、一旦offにしたりしてそのあたりを調整しないと読み込み不能になってしまい、セキュリティ強化をしている人は作業必須です。これをやらずにCPUの交換をしてしうと、前のCPUに戻して設定しなおす必要があります。

ここまで出来たらCPUの載せ替えです。単純にCPUクーラーを外して載せかるだけで、特にそれ以上はありません。

次にBIOSの設定です。先ほどfTPMを無効化した人はまずそれをONにしてください。もう一つはセキュアブートの有効化です。デフォルトでは無効になっている場合があるので、ONにしてください。自分はこれ気づかずWin11がインストールできなくて焦りました。

後は通常のWindowsのインストールと同じ流れです。

このようにCPUの交換とBIOSの設定のみで大幅な性能向上が見込めるケースがあるので、ぜひおすすめですよ。


2021年9月29日水曜日

iPhoneの配送は10日ぐらい早まるときがある




iPhoneを予約するとかなり待たされる時があるかと思いますが、それが10日ぐらい早まるときがあるので、2021年の状況としてiPhone 13 miniの注文から配送の経過をレポートします。


iPhoneは miniは不人気じゃなかった!?

今年のiPhoneは変わらば映えも無く、正直悩んでいました。買うとしたら今年最後らしいiPhone 13 miniが良いと思っていました。miniは不人気らしいということもあって、発表後少し悩んでも平気だろうと思いました。実際注文を決断した前日の9月20日までは、発売日当日9月24日の当日の配送予定となっていました。

ところが注文を決断した9月21日夜には発送予定日が伸び、10/8~15日になっていました。iPhone miniはあんだけ不人気と言われただけに、なんでやねん!と心の中で突っ込みました。Apple storeでの受け取りも考えましたが、選択出来ませんでした。

ただ、iPhoneの発送は早まるときがあるのは知っていたので、早く届くことに期待を込めて注文しました。

2日しか早くならないのかい!

注文して4日経った9/25日にAppleからメールで通知が来ましたが、10/6~9日に変更ということでほぼ変わりませんでした。

正直2日だけの変更でがっかりしました。

iPhone 動き出す

iPhoneのApple storeアプリで暇なときチェックしてましたが、27日夜見たところステータスが処理中から一番最初のステータス処理中から配送準備中に変わっていました。

このステータスになるといよいよ発送は近いということで、期待が持ててきました。

発売日から4日で発送完了

28日にのちょうどお昼ごろにApple StoreからSMSで発送完了の通知が来ました。

出荷指示 09月28日 GSCM・ADSC支店
荷物受付 09月28日 10:30 ADSC支店
発送済み 09月28日 10:30 ADSC支店
輸送中 09月28日 15:43 羽田クロノゲートベース
配達完了 09月29日 午前中

荷物の動きはこんな感じです。クロネコヤマトで届きました。ちなみに発送元は西濃シェンカーで、西濃運輸とドイツ国鉄子会社の物流会社の合弁会社でした。ちょっと意外です。

とこんな感じで注文から1週間ちょっと、発売日からは5日遅れ配送されてきました。iPhone 13 Proなんかは人気なのでもっと遅くなるかもしれませんが、10日以上早くなるのは大きいので、意外と早く届くのをちょっと希望をもって待っても良いかもしれません。

iPhoneやandroidからUSBより早くWi-FiでWindowsにファイル転送する方法




 iPhoneシリーズはあれだけ映像を売りにするのに、何故か優先接続がUSB2.0で映像転送をが遅すぎます。なのでandroidでも利用できるテクニックでWi-Fiを使ってデータを送る方法を紹介します。
記事作成日: 2021.09.23/記事更新日: 2021.09.29

iPhoneのlightningは遅すぎる

iPadやMacの接続方法がUSB Type-CでUSB3.0以上・最大理論値5Gbps対応となる中、iPhoneの接続はlightning端子を維持しています。lightning端子はUSB2.0接続がベースになっているために、通信速度は最大理論値で480Mbpsとなっています。なので実際の速度はそれ以下となります。

また片側がUSB-Type Cで反対がlightning端子というのもありますが、あれはUSB PD(USB Power Delivery)に対応するためで、転送速度はUSB2.0から全く変わりません。

またapple製品通しであればAir Dropという、Wi-FiとBleutoothを組み合わせた無線通信で高速転送できますが、Windowsとでは叶いません。

Androidも中身はUSB2.0がまだ多い

最近のAndroidの接続端子はUSB Type-Cが標準です。しかし、USB Type-Cあくまでも端子形状の規格なので、転送速度は色々です。

10万円を超える高級端末であればUSB 3.0以上で理論値で5Gbpsを越える通信速度が多い反面、普及帯以下の端末だとSoCは対応していてもUSB2.0止まりはよくあります。

また各社この部分をスペック表にはっきり書かないことも多く、分かりにくいことも多いです。ドコモの製品情報ではしっかり載っているのが、とても偉いです。

Wi-Fiなら最低でもUSB2.0ぐらいを目指せる

最近のスマホとWi-FiルーターであればWi-Fi 5 (11ac)に対応しています。iPhoneの場合ですと、最大理論値は866Mbpsまで対応します。

更に数年前からWi-Fi 6 (11ax)対応機器が発売されました。iPhoneの場合11とSE2以降がそれにあたります。最大理論値は1200Mbpsでギガビットを越えます。

実際にWi-Fi 5でPCとやり取りしていますが、ファイル数やサイズで波がありますが実測値の最大値500Mbps越えで平均で見てもUSB2.0よりは早くデータ転送が可能です。

今度Wi-Fi 6環境も整える予定なので、そうしたらそちらについても記載します。

ただし、これはWi-Fi部絞ってみた場合なので、スマホとWinodws側の読み書き速度にも依存するのが注意が必要です。Androidの場合SDカードの読み書き・Windows PCがHDDでの読み書きなど、そこで読み書きが遅くなる可能性があるので注意が必要です。

実際に測定してもWi-Fiが早い

iPhone XR / Wi-Fi5 / 約1GB×5
1回目 2m17s 2回目 2m23s 3回目 2m23s
平均: 2m21s / 290Mbps

iPhone XR / USB2.0 (iTunes経由) / 約1GB
1回目 42s 2回目 42s 3回目 42s
平均: 42s / 195Mbps

iPhone 13 mini / Wi-Fi5 / 約1GB×5
1回目 1m14s 2回目 1m07s 3回目 1m09s
平均: 1m10s / 585Mbps

約1Gの動画ファイルを使ってストップウォッチを使って計測の上、USBとWi-Fiで転送ファイル数が違う超ざっくりした計測ですが、傾向は分かると思います。

iPhone XRの場合どちらも遅いのですが、USBが遅すぎるので相対的にWi-Fiが早いです。iPhone 13 miniの場合は、585MbpsでUSB2.0の理論値を明らかに超えています。こうしてみるとiPhone XRは元々が全て遅すぎます。

補足として環境は 「iPhone→Wi-Fiルーター(IO DATA WN-AX1167GR2)→1GbE→Windows PC (NVMe)」です。ルート上のボトルネックは最小限だったと思います。基本スマホもPCも動かさないようにしましたが、他のスマホが接続しっぱなしでインターネットも繋がっていて、小さいトラフィックはあったと思います。ただ、現実的な環境ということでここは一つ…

iPhone標準の「ファイル」でも接続できるが不安定

Androidはそういったアプリが無い場合がある

iPhoneにプリインストールされている「ファイル」アプリでもWindowsとWi-Fiでやり取りできますが、容量が大きいと不安定になるのでサードパーティがお勧めです。

Androidの場合はGoogle謹製ではそういったアプリが無いため、製造メーカーのプリインストールアプリ次第です。Galaxyの「マイファイル」やXiaomiの「ファイルマネージャー」はWi-Fiでのやり取りが出来ました。

Windows10のファイル共有機能を使う

Windowsにはファイル共有機能があるので、それを使います。この点はざっくり説明するので、もし足りない場合は調べて下さい。

まず共有したいファイルを右クリックし、プロパティを開きます。その中に共有タブがあるのでクリックし、更に共有をクリック。そうすると共有したいユーザーが選べるので、ユーザーを選んだ上でアクセス許可のレベルを設定すれば完了です。

こうすることで同じLANに繋がっている端末からアクセスできます。無線LANの場合ルーターモードで稼働している場合はつながらないこともあると思うので、そこの辺り設定はつながらなかったら実情に合わせて設定してください。

FE File Exploreを使う場合

私は特に理由もなくFE File Exploreを使っています。家庭内LANにアクセスする都合上セキュリティには気を付けた方が良いので、もっと良いアプリがあればそちらをお使い下さい。

まずアプリを開いたらiPhoneの場合は右上、Androidの場合は右下の+マークをタップしてください。そうすると共有したいシステムのアイコンが出るのでWindowsをタップしてください。すると設定画面が出るので、それを入力すれば完了です。

表示名: 自由
ホスト名/IPアドレス: 共有する端末の名前かIPアドレス
ユーザー名: 共有設定をしたユーザーの名前
パスワード: 共有設定をしたユーザーのパスワード

上のような感じで入力が必要になります。表示名はスマホ上で表示するためのものなので自由です。

ホスト名/IPアドレスの部分は2パターンやり方があります。ホスト名を使う場合、Windowsのi設定→システム→詳細情報で、詳細情報内のデバイス名から名前を確認します。そしてパソコンの名前がPCに設定されているとします。iPhoneの場合「smb://PC.local」と入力してください。Androidの場合は「PC」のみで大丈夫です。IPアドレスを使う場合はWindowsのコマンドプロンプトをまず開きipconfigと入力、それで出てきた中からIPv4アドレスを入力すればOKです。ただし、IPアドレスの固定設定しないと変更されて繋がらなくなる場合があるので、ホスト名を使うのがお勧めです。

ユーザー名とパスワードはWindows上で使っているユーザー名やパスワードをそのまま入れればOKです。

大容量ファイルは発熱に注意

大量にファイルをやり取りする時は端末の発熱にも注意です。Wi-Fiでの通信とストレージとの読み書きのダブルで発熱します。そのため数十~百ギガなどやり取りする時は、扇風機でもなんでも良いので風で冷やしてあげてください。

こんな感じでファイルが共有できると思います。USBケーブルよりは早くやり取りが出来る場合も多いと思うので、ぜひ活用してみて下さい。

2021年9月20日月曜日

どれが高音質? ワイヤレスイヤホンのBluetoothのコーデックの話




 ワイヤレスイヤホンでは、コーデックと呼ばれる音を圧縮してスマホなどからイヤホンへ音声を通信する規格があります。規格によって音質が変わることや、開発元によって対応規格が変わるので、その点の事情も紹介します。

音質もまずまずだがほぼ必ず採用のSBCとAAC

まず絶対に採用されているのはSBCです。44.1khz/16bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。

SBCはBluetoothで音声をやり取りする時に絶対に採用しなくてはいけない規格で、最も古い規格です。そのため音質は少し悪いのですが、静かな部屋で聞くなどでなければ実用上問題になることはあまりありません。外での視聴やながら使用がメインになることの多いワイヤレスのイヤホンの場合、殆どの場合このコーデックで満足できると思います。

2020年にSBCの後継規格のLC3が発表されました。SBCと同じ必須の採用規格になる予定で、今後は徐々にそちらに置き換わっていくと思われます。音質としてはAACやLDACと同程度や一部上回るところがある具合と主張しています。標準になればこの規格だけで音質面で困ることはほぼ無くなるはずで、ユーザーとしても助かります。

次によく採用されているのがAACです。44.1khz/16bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。SBCより新しい規格で、音質もちょっとだけ良いです。Bluetooth以外ではYouTubeやiTunesでも採用されていて、現在最も一般的なコーデックの一つと言えます。

この二つは殆どのスマホやワイヤレスイヤホンで採用されており、ワイヤレスイヤホンでもこの二つにしか対応していないものは多いです。スマホ側は更に複数のコーデックに対応しているのが一般的ですが、iPhoneに至ってはこの二つしか対応していません。

クアルコムが開発しているaptX系

aptXはCSR社が開発したコーデックですが、現在はQualcommが買収したためクアルコムが開発するコーデックです。QualcommはスマホのCPU Snapdragonシリーズやワイヤレスイヤホンの受信やワイヤレスDACの送信用のチップも作っているため、比較的採用数は多い規格です。

aptXが基本形で、44.1khz/16bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。AACとあまり変わらないレベルの音質の規格です。Snapdragonを採用しているスマホなら多くが対応しています。

aptXHDはその後に作られた規格で、48khz/24bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。ハイレゾ規格に一部対応するので、音質にこだわるのなら検討対象に入る規格です。ただし、対応しているイヤホンはかなり少ないです。

そしてaptX Low Latency通称aptX LLは、音質より映像やゲームなど遅延を抑えつつ、44.1khz/16bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。低遅延のため音ズレが小さくなるので、ゲームや映像を重視する方にお勧めの規格です。ただし、apxHD同様対応するイヤホンが少ないのが残念な点です。

以上3つを置き換える規格がaptX Adaptiveです。低遅延を実現しつつ96khz/24bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。特徴は状況に応じてビットレートを変動させ音声品質を変えることで、電車など混線しやすいところでは音質より接続性を重視するなどが出来ます。問題は対応するイヤホンが殆どない点です。

2021年9月にはaptX Adaptiveの追加規格として、aptX Losslessが登場しました。今までのaptX Adapativeの今までの機能に加え、44.1khz/16bitまでをロスレスでBluetoothで送信できる初めて規格で今後対応機器が登場します。44.1khz/16bitがCDと同じ音質なので、CDまでなら劣化の無い音質で聞くことが出来ます。

SONYが開発したハイレゾ用のLDAC

LDACはSONYがハイレゾを最初から意識して作った規格です。96khz/24bitまで対応する非可逆圧縮の規格です。aptX Adaptiveと同様に混線しやすい状況などでは、ビットレートを変更3段階の中から選び音声品質も変動する代わりに接続性を重視する機能があります。

SONYがスマホの開発でandroid OSの開発にも関わっているため、OSレベルで標準対応している規格です。ただ、本来OSレベルで対応していても、スマホのメーカーが使えないようにしてしまったりすることもあるので、androidなら必ず対応するわけではありません。

SONYが開発した規格のためSONYの機器で採用率は高いのですが、他社の採用率は低く殆ど対応しているところはありません。

以上が現在使われている主なコーデックとなっています。現状としてはSBCとAACという必要十分なコーデックのみが採用される場合が多いです。なので音声品質に拘りたいなら、それ以上の音質のコーデックを選ぶ必要がありますが、高価なイヤホンに採用される傾向があります。どの場面で使うかを考えつつ、イヤホンの値段と合わせて検討すると良いかと思います。

また、音源がmp3の場合二重に不可逆圧縮されることになるので、スマホの容量に余裕があるのであればflacなど可逆圧縮のフォーマットの検討も合わせてしたいところです。

よくわからん! ワイヤレスイヤホンを選ぶときのBluetoothの話




 ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが普及してきましたが、それを選ぶ際にBluetoothの対応している規格によって機能が変わってきます。何を見て選べばよいかについて紹介します。


気にすべきは主に二つでコーデックとバージョン

イヤホンを選ぶにあたって重要なのは、機能に関わってくるバージョンと音質に関わってくるコーデックの主に二点です。

Bluetoothは無線で様々な機械同士と通信するための規格で、PC・スマホ・イヤホン・キーボード・カメラ・ゲームのコントローラーと様々なものに採用されています。そしてWi-Fiとの違いは、Wi-Fiはインターネットや家庭や企業内のネットワークと通信するためという点です。

Bluetoothの規格にはバージョンがあり、このバージョンによって消費電力や対応できる機能が違い、まずこれが気にすべき点です。

次にプロファイルと呼ばれるものがあり、これも何の機能に対応しているかにあたります。例えばワイヤレスイヤホンであればA2DPというのに対応しており、これは音声を通信するためのプロファイルです。そしてプロファイルには色々なものがありますが、イヤホン選びで重要なものは多くありません。

そして音質もイヤホンなら重要ですが、先ほど上に上げたA2DPのプロファイルと一緒に使われるコーデックと呼ばれる音声圧縮規格で変わってきます。スマホなどから音楽を送るときにどうやって送るかという規格で重要です。

バージョンが新しいと省電力だったり複数の機器から同時再生できる

バージョンが新しいと何が良いかと言うと、省電力であったり複数の機器の音を同時に聞けたり高機能になります。ただ音質に関して全く関係ないわけではないですが、コーデックの影響のほうが大きいです。基本的には最新のバージョンの方が良いのと、対応してる機能についてはカタログで見るしかありません。

Bluetoothのバージョンは現在2020年発表の5.2が最新です。バージョンが上がることごとに通信速度の高速化・低省電力化が勧められてきました。最近のイヤホンであればだいたいが5.0以上で、使う上でバージョンで特に困ることはありません。

また、バージョンが5.2だから全ての機能に対応するわけではありません。複数の機器の切り替えができるマルチポイントや、同時接続で二台のスマホの音楽を聴いたり出来るマルチペアリングなど使い勝手に関わる部分を正確に知りたい場合は、やはりカタログの細かい部分を見る必要はあります。

4つ対応していればだいたい出来るプロファイル

ワイヤレスイヤホンであれば重要なのは主にした4つのプロファイルです。

A2DP-音楽などの音声を送る機能
AVRCP-端末側の再生や停止などの操作をするリモコン機能
HFP-電話の発着信と通話などの機能
HSP-電話の音声を送受信する機能

上二つのA2DPとACRCPが音楽再生に関わる機能、下二つのHFPとHSPが電話に関わる機能です。最近のワイヤレスイヤホンであればだいたい対応しているので、念のため確認するしておけばよい部分です。

そして細かい使い勝手に関してはマニュアルなどをダウンロードして確認すると良いと思います。

音質に最も影響するコーデック

コーデックは音声をどうやって圧縮してスマホなどからイヤホンへ送るかの規格で、この部分が音質にはもろ影響します。目安としては電車などでしか聞かないなら、SBCでも良いが、静かなところでも聞くなら最低AACとaptX、ハイレゾ音源を聞くならaptX HDやLDACにaptX Adaptive、ゲームをするならaptX LLというのが目安です。

SBCはBluetoothイヤホンなら絶対に対応しないといけない規格で、最も古いコーデックです。そのため音質はあまり良くありません。ただし、注意して聞けば音質悪いなあぐらい
レベルなので、騒音の多い環境であれば気にならないと思います。

AACとapt-XはCDレベルの音質で聞ける規格です。なので音質の劣化も比較的少なく、静かな環境でも不満は出にくいと思います。

そしてaptX HD・LDAC・aptX Adaptiveはハイレゾ音源相当の音質を誇る規格です。逆を言うとどれかに対応してないイヤホンで聞くと、ハイレゾではなくなっているということです。

最後にapt-X LLは遅延を無くすための規格で、他の規格よりゲーム時の音ズレが小さくなります。ただし、音ゲーをやるのであれば、今も有線で一番無難だと思います。

今まで説明した規格は全て非可逆圧縮の規格です。Bluetoothには可逆圧縮のコーデックは今までなかったのですが、2021年9月にaptX Adaptiveの追加規格で、aptX Losslessが発表されました。この規格で初めてCD相当の44.1khz/16bitまで可逆で送信ができます。個人的には未だにCDから取り込んで聞く派なので、この規格に最も期待しています。

コーデックが良くても最後はイヤホンの性能が大事

コーデックはスマホなどからイヤホンまで音を伝えるための規格です。なのでイヤホン自体の作りが良くないと音質は落ちます。音質にこだわるのであれば、デジタルの規格部以外もやはり重要です。

私もそろそろワイヤレスイヤホンが欲しいなと思い調べたので、書いてみました。イヤホン選びの参考になれば幸いです。

2021年6月23日水曜日

アニメ紹介 AIヒューマンドラマだった Vivy -Fluorite Eye's Song-




私としてはなかなか楽しめたSFアニメ「Vivy -Fluorite Eye's Song-」について若干のネタバレ含みつつ紹介していきます。


SFヒューマンドラマのVivy

アニメの公式HPでもそう紹介されているように、このアニメのテーマとしてSFヒューマンドラマを打ち出しています。

確かにこのアニメはAIを主役とした設定もビジュアルも練られているアニメなのですが、AIによる社会の変質や人と機械の関わり方を描いた作品というより、AI達がどう生きたかを中心に描かれていてます。以前このブログで扱ったBeatlessがAIが人類の能力を超えた世界で、主人公はAIと一緒に歩む世界を選択した上で、AIに支配される明るいディストピアを選択したというかなり技術の変化もテーマとしていたのとは対照的です。

ビジュアルのほうですが、未来的な世界観もしっかり作りこまれています。作画もかなり安定していてアクションのクオリティも高いです。この点はテレビアニメとしてはかなり良いほうだと思います。

アニメのカギとなるAIと人類の関係の4つ転換点ですが、どれも技術的な進歩というよりAIが人権を得るきっかけだったり社会的な側面をもっていて、そこは特筆すべきだと思います。

なので未来の技術によるテーマが好きな人にはちょっと物足りないかもしれません。逆に未来の世界を見るのが好きな人にはぴったりだと思います。

あらすじ

世界初の自立型AIで「歌で皆を幸せにすること」を使命に誕生した歌姫型アンドロイド「ディーバ」は、テーマパークで人々に向けて歌を歌う日々。しかし、美しい歌声に関わらず人気は無く客も殆どおらず、小さなステージで歌う毎日だった。ある日迷子の少女と出会い、その少女と仲良くなる。その少女の好きな絵本からVivyと名付けられ、メインステージで歌う約束を交わす。そしてメインステージで歌うためにも心を込めて歌うことを目標するが、心を込めるとは?ということも分からず観客も増えない日々が続いていた。

そんな時に100年後の未来から人類とAIとの戦争を止める使命を持って送られてきたマツモトと名乗るAIと出会う。彼によれば100年後に人類を不要と判断したAIにより人類は壊滅的打撃を受けると言う。それを止めるためにAIと人類の関係の転換点となった4つの事件を阻止しAIの発展を阻止し、歴史を修正する「シンギュラリティ計画」のため協力して欲しいと言ってきた。

乗り気ではな無かったVivyだが、人命にかかわるということで仕方なく協力をすることにする。しかしマツモトと共に転換点を止めるため行動しているうちに、その転換点で様々な使命を全うするために生きるAI達と出会い変わっていく。最初は少なかったお客さんも少しずつ増えていく。紆余曲折もあったが4つの転換点の阻止には成功した。

来るべき100年後が来たのだが、何故かAIが人類に対し反乱した未来は変わらなかった。それを止めるためにVivyとマツモトは…

人とあまり変わらないAI

この物語で描かれるAIはあまり人と変わらないのが面白い点の一つです。ロボットのボディによる人との違いはありますが、受け答えも人と同じ様にできますし自由意志も持っています。個性だって同一形式のボディでも、それぞれが持っています。一方で違いとして「使命」を持つことがあります。

元々AIたちは汎用性を求め多用途で開発しましたが、それでは上手く動作しませんでした。そこで「使命」と呼ばれる一つの目的に特化させることでAIの動作を成功させることが出来ました。これ持つのが人類との大きな違いです。

確かに「使命」という人にはないものに縛られていますが、それ以外は殆ど人と変わりません。更に使命の考えた方で行動も自由に変えることができます。例えばVivyの場合は「歌で皆を幸せにすること」のために、人とAIの衝突という不幸を避けて皆が歌を聞いてもらえるようにという点に結びつけていました。なので、かなり柔軟に対応できます。AIが蜂起したのも「人類の繁栄に貢献する」使命から、人がAIへ依存し過ぎたと判断し自分たちが人類となり替わり繁栄するという風なすり替えが原因です。

ロボットものだと定番のロボット3原則がありますが、それもありません。戦うことを使命に設定されれば人と戦うことも出来ますし、AIが反乱した原因もそもそも3原則のようなものが設定されていなかったのも原因だと思われます。

もう一つ人と違う点としては創造性があります。人に言われて音楽を生み出すこと出来ますが、自発的に音楽を生み出したのは100年間のなかでVivy一人だけでした。

設定は割と下手だが定番のロボット物を踏襲

このアニメではヒューマンドラマが中心で、設定に関しては古典的だったり定番の設定が使われています。

AI達は陽電子頭脳を使用しています。陽電子頭脳と言えばアシモフの作品で登場した、超古典的な設定です。この陽電子頭脳の一部はブラックボックス化しておりそれが心のような個性を生み出したり、データとして人格を読み出すことは可能でも複製することを不可能としています。人格を同一型ボディにコピーした場合、そっくりさんは作れても同一個体は作ることができません。この同一コピーが出来ないのも陽電子頭脳の古典的な特徴です。

ボディは人間を大幅に超える性能を持っています。Vivyは歌姫型なのにめっちゃ頑丈です。戦闘用プログラムだけでVivyは警備用AIと性能差を感じさせる部分は殆どなく戦うことが出来ますし、明らかにトンはある重量物を持ち上げることも可能です。こういった超人的な力もかなり定番でないでしょうか?

とっちらかりつつもざっくり紹介しましたが、総合するとアンドロイドをテーマとしたSFアニメ好きの方には、かなりおすすめのアニメです。今だと配信で一気見も手軽に出来るので、休みの日にでもどうでしょう?

2020年10月26日月曜日

最高なものは無い! スマートウォッチの選び方




 様々なメーカーから発売されているスマートウォッチですが、現状どれも一長一短で決定版が無いのが状況です。その中で健康や運動を計測するアクティビティトラッカーとして、なるべくあったものを選べるよう紹介していきます。


機能・大きさ・電池・アプリのバランスが大事

まず大事なのはスマートウォッチの機能です。簡単に言えば値段が高いほど高機能になります。そこで日常的にスポーツはするのかなど、必要に応じた機能を選ぶことで安く必要な機能のスマートウォッチを選べます。また、スマートウォッチはまだ未成熟で日進月歩で、機能を求めるなら長く使うという選択肢は無いのが現状というのも、考慮すべきでしょう。

睡眠計測がしたい・常に付けたいとなると大きいものは使いづらいです。そうなると腕時計型よりリストバンドタイプのほうが違和感が少ないです。一方で通知や音楽機能を重視するなら文字盤が大きいタイプがお勧めとなってきます。

電池の持ちも非常に重要です。電池は低機能で大型のものほど良くなります。様々なセンサーを使うと当然電池の減りが早くなります。そしてサイズが大きいほど大きな電池を搭載できるので、電池の持ちがよくなります。

スマートウォッチを選ぶときどうしても本体に目が行きがちだと思いますが、アプリもかなり重要です。スマートウォッチのメーカーアプリだけで使う場合にはあまり問題はありませんが、自転車に良く乗るから「strava」が使いたいなど他のスポーツ関係のアプリと連携する時は問題になる場合があります。まず使いたいアプリを先にダウンロードして、気になるスマートウォッチメーカーのアプリをダウンロードして連携出来るか調べて選ぶことが重要です。

結論から言えば一先ずお試しや常時計測がしたいならMi Band、iPhoneで高機能なものが良いならapple watch、様々なアプリと連携したいならGirminあたりが選択肢になってくると思います。

センサーとしては心拍数と歩数が標準

スマートウォッチの機能としては、心拍計と万歩計と睡眠計測機能が標準です。それに加えて高級機では、GPSや気圧計が搭載されます。また、これらセンサーのデータを処理して、睡眠やストレス計測をする機能も最近は付いています。

まず万歩計機能はほぼ全てのスマートウォッチに搭載されています。これは加速度センサーを利用して歩数を計測する仕組みです。

心拍計も最近のスマートウォッチではほぼ標準です。心拍を測定する方法としてはLEDで血管を照らして読み取る方式と、心臓の電位を電極で測定するタイプがあります。スマートウォッチでは時計の裏蓋にLEDセンサーが付いており、これで心拍数を計測するのが一般的です。この方式は安価で実装が簡単で常時計測が簡単な反面、正確性にはやや劣るというデメリットがあります。最近ではapple watchが電位を読み込むタイプもLEDタイプと併用する形で搭載され始めています。

GPSはランニングやサイクリングの時の経路や距離を測定するために使われます。高価なものはGLONASS、GALILEO、QZSS(みちびき)、BEIDOUなどのGPS以外の様々な国のGNSSを利用できる傾向にあります。

気圧計は標高を測るために使用されます。なので経路記録を特に重視される方は、付いているか注意した方が良いと思います。

これに加えて登山などを意識した高価なモデルだと、電子コンパス内蔵されていたりします。

ただし、GPS機能や高度計についてはスマートフォンとの連携機能を使うことで、同様の機能を利用できる場合があります。なので、それらの使用頻度が低い方は、無くても良いでしょう。

またapple watch 6 などではマイクを利用した騒音計で、耳へのダメージも計測することが出来ます。これは他のスマートウォッチには無い機能です。センサー類の充実度や様々な連携機能で、最新世代のapple watchが一つ頭が抜けています。

Fitbitもgoogleが買収するだけあっていち早く皮膚温度センサーを搭載するなど、進んでいます。

既存センサーを活用する睡眠・ストレス計測

睡眠計測機能は加速度センサーで体の動き心拍センサーで心拍数を測り、計算処理して睡眠時間や睡眠の深さを計測します。なので、センサーよりも計算アルゴリズムによる性能差が大きい部分です。

ストレス測定も計算処理によるものです。心拍数は安静にしているときにも変動しており、この変動がストレスにより変化します。なので心拍計のデータを処理することでストレス値をある程度計算することが出来ます。

どれくらい付けるか?視力は大丈夫か?

大きさによって煩わしさや、通知の見やすさが変わってきます。

大きさという点ではリストバンド型が一番です。常時計測や睡眠計測などもしたいなら、リストバンド型が違和感が少なく素晴らしいです。ただ、電池やセンサーのスペースの関係もあり、機能が絞られたり画面サイズが小さく見づらくなってしまうデメリットもあります。そしてリストバンド部が消耗品なところもあるので、交換できるタイプであるかも重要です。

大きい時計タイプは見やすさに直結します。スポーツを頻繁にしてスマートウォッチ本体で様々なデータを確認したり、音楽アプリの操作や通知機能も重視するなら大きいタイプが当然見やすいです。視力が悪い方もそこは考慮すべきです。また、最近は常時点灯タイプも出てきてたので、時計として使いたい方はそこも注意して選ぶと良いと思います。

電池の持ち

電池の持ちは最初に書い本体の大きさと機能が一つの目安です。スマートウォッチは初期の電池の消費の悪さを反省して、最近は電池の持ちがよくなってきています。1週間前後は使える機種が多くなっています。

様々な機能のうちGPS機能は非常に電池の消費を早めるので、GPS機能をよく使いたい方はどれくらい使えるかよく調べておくと良いでしょう。

またapple watchの電池の持ちの悪さは有名で、高機能な反面フル機能を使うと1日持ちません。ただ、最近はある程度改善してきいるそうなので2~3日は持つ場合もあるので、使い方と相談といったところでしょうか。

Googleのスマートウォッチなどウェアラブルデバイス向けのOSであるWear OSを使っているスマートウォッチも、電池の持ちが良いとはあまり聞いたことがないので、良い機種はほぼないと思います。

逆にMi Watchなど中華系のリストバンド型は万歩計と心拍計測程度に機能を絞り、経路計測などはスマートフォンとの連携を前提としたり、高機能な時計型では出来る限り大型のバッテリーを搭載することで、電池の持ちを良くしている傾向にあります。

アプリの連携

スマートウォッチを買う前にスマートウォッチメーカーのアプリと連携したいスポーツアプリをスマホにインストールし、何が出来て何と連携出来るかを買う前に知るのはスペックを見るとの同じくらい重要です。

スマートウォッチはそのスマートウォッチのメーカーが出しているアプリをスマホにインストールします。これでスマートウォッチのデータが全て見られるようになります。それに加えてスマートウォッチメーカーのアプリと他のランニングアプリなどと連携をしたりしてより詳細な分析をしたり、Google Fitやi OSのヘルスケアアプリにもデータを貯められるようにするのが一般的です。基本的にはどのスマートウォッチを買ってもandroidとiOS両方で使えるのですが、apple watchとFit bitは注意です。

apple watchはappleが販売しているので仕方ないのですが、iPhoneなどiOSで使うことを前提としています。そのため追加のアプリなどは要らない反面、androidでフル機能で使うのは無理だと思ってください。そしてFitbitはどちらのOSでも使えるのですが、googleが買収したのにも関わらずヘルスケアアプリだけでなくgoogle fitとも連携が出来ず、fit bitのアプリ以外でデータを貯めることができないので注意です。一応サードパーティーのアプリを経由することでデータを貯めることは可能です。

またスマートウォッチメーカーのアプリとランニング Nike Run Clubや自転車のStravaなどのスポーツアプリと連携出来るかは、スマートウォッチメーカー次第なところがあります。apple watch、Garmin、Fitbitの3つは、殆どのアプリとの連携が出来ると思います。中華系はこの部分があまり得意じゃないと思います。

最終的には買って使ってみないと分からないですが、以上に上げた点を注意すれば大外れを引くことはないと思います。

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