2017年4月5日水曜日

リアルけものフレンズ フェネックちゃん・アライグマのアライさん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は1話から毎回話の最後に登場する、フェネックさんとアライグマのアライさんを紹介します。

最小クラスの狐 フェネック

フェネックギツネ
フェネック
フェネックはフェネックギツネとも呼ばれるように、イヌ科キツネ属の動物でキツネの仲間では最小クラスです。今のところ個体数は安定していて、レッドリストでは低懸念のLCです。日本の動物園でも多くの場所で見ることが出来ます。

大きさはチワワぐらいの小ささです。生息地はアフリカ南部の乾燥地帯、サハラ砂漠などに住んでいます。砂漠でみることの出来る、唯一のイヌ科の動物です。巣穴は地面に掘るタイプで、つがいを中心とした家族で暮らします。キツネ科の中では体が小さく特徴的な大きな耳を持ちます。温暖な場所では小型で耳が大きくなるなどなり、寒冷地では体が大きく耳が小さくなる、有名なベルクマンの法則に一致しています。一見寒さには弱そうですが、ある程度の耐性はあります。これは寒暖差のある砂漠に適応しているからのようです。

食性は雑食で小型の動物や昆虫から植物となんでも食べます。キツネの臭いがきついことは有名ですが、フェネックもきついようです。

日本でもペットで飼っている方もますが、今は輸入規制が厳しく80~90万円ほどするようです。餌はキャットフードと少しの野菜や卵で大丈夫です。また、最低10平方メートルほどのケージに砂やチップを敷くほうが良いとされているので、サーバルちゃんほどでないにせよ飼うのはかなり大変です。臭いもきついので室内向けじゃないそうです。犬猫以外の家畜化されてないペットを飼うのは、生半可な気持ちじゃいけませんね。

お昼寝フェネック

動物園に見に行った時は、ちょうどお昼寝中でした。その日は冬でも比較的暖かい日だったので、丸まって気持ちよさそうに寝ていました。フェネックは比較的神経質な個体が多いようですが、私が普通にマジックテープを剥がした音がした時、少しビクッとして驚かせてしまいました。もちろん悪意はないのですが、可哀そうなことをしていまい反省です。もし動物園へ見に行くことがあったら、優しく見守ってあげてくださいね。

お騒がせアライグマ

アライグマはアライグマ科の動物で、北米原産の動物です。後述しますが、日本やヨーロッパなど本来の生息地以外にも進出しています。

東武動物公園のアライグマ
アライグマ
生息地は森林から都心とどこでも住めますが、水辺を好みます。日中はねぐらで過ごし、夜に活動します。手先が器用で、木登りも得意です。基本的には単独生活です。子供の頃は愛らしく飼うこともできますが、大人になる好奇心旺盛でとどんどん攻撃的になります。大人の性格は図鑑に「あくなき好奇心、破壊的な性質、移り気」と書かれるほどです。食性は雑食で小動物から木の実に、人が出したものとなんでも食べます。アライさんの自由奔放な性格はここからですね。

森林では広い範囲をランダムに移動しますが、人間生活圏の近くに住むアライグマは餌が豊富なため行動が狭くなります。


日本のアライグマ

ここでは海外ではなく、日本のアライグマについて見ていきましょう。アライグマは飼っていたものが逃げ出して、日本でも増えていきました。アライグマラスカルで人気が出たのも一因と言われています。1970年代ではまばらに生息する程度でしたが、2000年代には「札幌・東京・名古屋・大阪・福岡」の大都市圏の郊外に多く生息するようになりました。私も近所でアライグマを何度か捕まえているので、もう身近な動物と言っていいのかもしれません。原産の北米でもめぼしい天敵おらず、日本ではまったくいないと言ってよいレベルです。そのためどんどん増え、様々な問題を引き起こしています。

まず最初に知って欲しいこととして、アライグマには感染症を起こす寄生虫がいたり、狂犬病の可能性もあります。もっともこれはアライグマだけでなく、ほかのタヌキ・キツネなども一緒で、野生動物を触ったりするのは避けるのが無難です。

何でも食べるので畑を荒らしたり、貴重な両生類を食べるなどの被害が発生しています。甘い果物や野菜は大好きだと言われています。餌でザリガニが好きなように、水辺を好みます。貴重な両生類の被害が発生しやすいのは、そのためでしょう。もっとも鎌倉市で行われた調査では、小さな蛾・アメリカザリガニなどの甲殻類・桑の実などが中心で、食べ物のうち10%に届かないぐらいをピーマンなどの畑の作物や残飯としていました。雑食なので地域によって食性はだいぶ変わるでしょうが、人に迷惑をかけるものだけを中心に食べているわけでは決してないようです。

良く目が悪いため手で探るなどと言われていますが、視覚は決して単純に悪いわけではないようです。環境省の資料によると色覚は低いものの、他の夜行生物と同程度発達しているとありました。なので、猫など同じく夜間での視力を高めるために色よりも明暗に比重が置かれており、分解能が低いといった具合なのではないでしょうか?他の野生動物と同じ聴覚や嗅覚も発達している上に、手足の感覚が発達しています。そう考えると水の中を手で探るのは、あくまでも目で見るより分かりやすいからといった具合なのだと私は想像します。アニメの12.1話でもアライさんが両手をさすっていましたが、手が発達していて何かと触りたがるアライグマならではの動きと言えるのではないでしょうか。

巣穴は他の動物が掘ったものなどを使い、日中や寒い時期はそこでじっとしています。このようなねぐらは複数持ちます。キツネとそのあたりは似ています。木登りが得意なので仏閣の柱を傷をつけたり、巣穴代わりに屋根裏に住み着いたりもします。さらに手先が器用なので、簡単な仕組みなものなら開けたりできます。

繁殖は春に行います。つがいで行うのではなく、それぞれ別に生活してるメスとオス一頭という具合です。春ごろに平均で3~4頭、時には7頭ほどの子供を産みます。子育ては上手いようで、子供は3~5割の確率で大人になるのでどんどん増えます。直接的に数を減らすような対策も必要でしょうが、数が増えやすいので限界があります。生態を研究し上手く付き合う方法を模索するなど、多方向の試みが必要なようです。

参考文献
徳田宝成、岩下明生、小川博、安藤元一 (2013)「鎌倉市におけるアライグマの夏季食性」、環境省「特定外来生物 アライグマ」「地域からアライグマを排除するための手引き」、『動物大百科1 食肉目』 平凡社など

手先が器用なアラーイさーん

東武動物公園のアライグマ
野外では基本的に単独のアライグマですが、動物園では多頭飼育されているので、結構柔軟なようです。手先が器用なのは知っていましたが、想像以上でした。格子状の檻をよじ登るのは序の口で、頭をして下りたり天井を伝って移動したりしていました。アニメ3話では崖を手で登っていましたが、あれもあながち嘘では無い気すらしてきます。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」

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